ジャズとの出会い
ジャズとの出会いは、中学2年時の秋の文化祭ステージだった。
そこには、2つのバンドが出演した。
一つは2年生のバンドで、都留教博(現在は「ニューエイジ・ミュージックの作曲家・バイオリニスト)が中心となり、ビートルズを演奏した。それもまずまず良かったが、次に3年生が、ギター、ピアノ、ドラム(ベースはいなかったと思う)の3人がジャズを演奏したのである。
そのバンドのピアニストの演奏を聞いて、衝撃をうけたのである。ジャズという音楽はなんと自由でスリリングなのかと、これを機会にジャズに興味を持ったのである。ちなみに私は、5歳から小学校6年までピアノを習ってはいたが、と言うか習わされているというのが正直なところで、好きで弾いていたという実感がなかった。しかし、この時、ジャズを聞いて、ジャズピアノを演奏したいと言う、能動的で開かれた気持ちになったのである。
現実にジャズピアノを弾くようになったのは高校生になってからだが、通っていた高校が文京区にあったので、帰りに御茶ノ水の楽器に立ち寄ってジャズピアノの教本を購入し、弾いてみることにしたのである。
左は「日暮雅信:ジャズコード早わかりピアノのひき方」(リズムエコーズ)出版年度未掲載
右は「藤井英一著:ジャズピアノ教本 Vol.2」(リズム・エコーズ)出版年度未掲載
まず、左の教本を弾いてみると、なんだかジャズの音がしないのである。 それもそのはず、この教本はラグタイムとブギウギ、つまりジャズピアノの古典スタイルの教本だった。
右の教本は、15のエクササイズから成っているが、すべてがGのブルース・スケールで書かかれていたが、全体的に単調で飽きてしまった。
次に購入したのは次の2冊だった。これは先の2冊よりは参考になった。
『ジャズピアノ・テクニック 第二巻 モダンジャズ編』 (日暮雅信/リズムエコーズ: 出版年度未掲載)
コード進行、代理和音について、色々実例が示されいて詳しいのだが、どれも唐突すぎてわかりにくい本だった。
『ジャズピアノ入門』(飯吉馨/全音:出版年度未掲載)
この本は、コードワークもアドリブも豊富に掲載されているが、コードワークのほとんどは7thまで。アドリブはバド・パウエルのTranscription(コピーフレーズ)があるなどかなり参考にはなった。参
もっとも後でわかったこどだが、前者『ジャズピアノ・テクニック』はP65〜66、後者『ジャズ・ピアノ入門』にはP32に6小節程度、実際のジャズ演奏で使用するコードワークがほんの少し掲載されていたのであるが、購入時にはそのことに気づくよしもなかった。要するに情報を小出しにして、多くをオープンにできなかった時代なのだろう。
また、高校の音楽の先生(音大の声楽科出身、授業でブルーベックのテイク・ファイブのレコードを生徒たちに聴かせていた。)に相談したところ、『ニューヨークの印象』(デイヴ・ブルーベック/東亜音楽社:1966年)(下図)を貸してくださった。アドリブの掲載はなく、テーマだけだったが、ブロックコードのボイシングなど勉強にはなった。
たとえば、E♭7の場合、左手はRootを省略して「G,D♭,F」と弾くのか?など、、、。でもまだまだわからないことだらけだった。(ちなみにこの曲集、付録として「日本の印象」から「Toki’s Theme トキのテーマ」が(本書の目次にはなく)なぜかこの曲集の1曲目(4P)に掲載されている。それと、後でわかったことだが掲載曲の「アップステージルンバ」はラテン・リズムを基に12音技法で書かれている、ユニークな曲。ブルーベックはシェーンベルグに学んだので、なるほどなと思う次第
そうこうしているうちに、ジョン・ミーガン著による『Jazz Improvisationシリーズ』の存在を知った。以下。
このシリーズは4巻まであるのだが、1巻、2巻は和訳本で出版されていて、第1巻:音とリズムの原則(コード・シンボルを「II-Ⅴ、 ダイアトニック、クロマティックの3つに分類しているのがわかりやすかった)の巻末に掲載されている、他巻の宣伝を見ると
『Jazz Improvisation Contemporary Piano Styles (現代のピアノスタイル)』(ジョン・ミーガン/AMSCO:1965年)というタイトルの教本を発見。
コメント