Art Crossing 創刊号:池田一と水たちよ

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アート・クロッシング創刊号:池田一と水たちよ!

1980年以降様々な分野で「ポストモダン」と言う言葉が盛んに使われ、不安定で流動的な社会の基、それは「価値の相対化」「大きな物語の終焉」などと言われた。あれから数十年がたち、相変わらず私達を取り巻いている社会状況は不安定で流動的なように思える。が、しかし冷静に考えて見ると社会が安定した時などいままであったのだろうか。そもそもアートも自然も、人間も流動的で不確実だからこそ新たに繋がり得るのではないか。従って私達が開かれた社会やアートを望むならそのような無常の世界に喚起する以外に生きるすべはないのかもしれない。従って大事なのは私達人間は自然や世界との静的な共生を望むより、動的で無固着な共生成(あるいは共創成)にあるのではないだろうか。
創刊号はアース・アーチスト池田一の特集である。池田一は地球環境問題、特に水に関する問題と強く結びついたアートワークを世界的規模で展開し内外で高い評価を受けている。その作品やパフォーマンスは水=身体を通じて触覚、嗅覚、直観を研ぎすませながら、自己と世界との相関、対話、そして葛藤を通じ、万物の根源である水というシニフィエに伴われた数限りないシニフィアンがあらゆる方向へ拡散し、天地万物、壮大な自然と宇宙へと繋がっていくのである。それは水も身体と同様に固定のない生成や流動であり、自然も宇宙もまた同様だからである。そのような池田の試みを触視的空間と名付けておこう(河合)。

はじめに

(1)Chaosmos:間-共創成へ向けて」・・・河合孝治
特集池田一& Waters
(2)『池田一・インタビュー』
(3)『フォト・ギャラリー「Ichi Ikeda Earth Art」』・・・池田一
(4)『WATER POLITICS』・・・池田一
(5)『Waterpolis@Delhiデリー日記&水句』・・・池田一
(6)『池田一/屋久島アースアート「天水の島」レポート』・・・織田理史
(7)「池田一論序説」・・・宮田徹也
(8)『水奏:Water Crossing project With 池田一(Ichi Ikeda)』公演評・・・宮田徹也
(9)「池田一とガストン・バシュラールにおける水の形而上学―存在論化された水と形態を巡って」・・・織田理史
(10) 池田一略歴
(11)「水」・・・らり琉0郎(山下史郎)
(12)『水の思想 -シモーヌ・ヴェイユと折口信夫』・・・今村純子
(13)『雨を題材にした音楽ーこどもの歌を中心に』・・・斎藤恵
(14)「Composition: Horizontal Half / 水平構図」・・・相田アキラ
(15)「現代のダンスという未知なる領域へ、あるいは多木浩二へのオマージュ」・・・小森俊明
(16)「汝の傷を見せよ―パフォーマンスアーティストと傷跡」・・・北山聖子
(17) Water Disk Review・・・末冨健夫、小森俊明、織田理史

 

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