アート・クロッシング第2号:特集 豊住芳三郎

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アート・クロッシング第2号:特集 豊住芳三郎

 Art Crossing第2号は、フリージャズドラマーのパイオニア、豊住芳三郎の特集。 

プロローグ
009   “Sabu Photo Gallery#1〜#12”
022   豊住芳三郎の豊饒なる放浪・・・・・・・・・・・・・・・白石かずこ
025 豊住さんへ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・牧野はるみ
026   豊住芳三郎 私の叔父貴・・・・・・・・・・・・・・・・・HICO NATSUAKI
027  ‘70年代の日本ジャズを支えるもの・・・・・・・・・・・間 章
029   豊住芳三郎さんと演奏・・・・・・・・・・・・・・原尞
031   サブ・豊住芳三郎さんのこと・・・・・・・・佐藤允彦
033   旅の人・・・・・・・・・・・・・・・・・・高橋悠治
035   AACM突撃日記・・・・・・・・・・・・・豊住芳三郎
044   Power of Life・・・・・・・・・・・・・・・・Julien Palomo
051   “Sabu Photo Gallery#13〜#15”
054   サブ回想記 & 語 録 ・・・・・・・・・・・・・・豊住芳三郎
068   “Subuアーカイブ#1〜#18”
086  豊住さんとの事・・・・・・・・・・・・・・・・・近藤秀秋
090   ニコラス・レットマン・バーティノヴィック&川口賢哉 デュオ
日本ツアー2016 スペシャル・ゲスト:豊住芳三郎・・・・・稲岡邦弥                                                           
094   サブさんと、ポストサムライとしての・・・Onnyk 金野吉昭                   096   毒と薬、ユーモアと反骨精神・・・・・・・・・・・・・豊住芳三郎
098   レビュー for Sabu ・・・・・・・・・・・・・・・・副島輝人
105  カフェ・アモレス時代と豊住芳三郎・・・・・・・・・・・末富健夫
129  豊住芳三郎 参加ディスクガイド・・・・・・末冨健夫 豊住芳三郎
Jean-Michel van Shouwburg
河合孝治   織田理史 小森俊明
Art Crossing Colum
183 池田一/屋久島2017 アースアートプロジェクト『円水の塔』レポート・・・・・織田理史
191  ジャズ教本のアンソロジー/対機テキストへ向けて・・・・ 河合孝治
203  作曲から即興へ/自身の経験を振り返って・・・・・・・・・・・ 小森俊明
エピローグ

本書の発行までの経緯を説明すると、原稿集めの大半は、末冨健夫と豊住芳三郎自身が行い、河合孝治が集まった原稿をアジャストするという方法で行いました。原稿はビックネームの方からのものも多く、それは豊住さんが世界屈指のフリージャズ、フリー・インプロヴィゼイションのドラマーとして、高い評価と尊敬を受けているのと、末冨の実直な人柄、熱意が、伝わった結果と言えるだろう。

ただ当初、原稿は比較的短いものが多かったため、豊住さんの活動の全体像を網羅するような核となる文が必要ではないか考えた。しかし、それは無用であることがすぐわかった。なぜなら、豊住さんのような無境界でノマド的なミュージシャンの軌跡を固定的に捉えてしまうと読者にとって豊住ミュージックは時間に充足された感覚可能な対象となってしまうからである。つまり「人はどこから来て、どこへ行くのか」という、もっとも単純かつ、究極的な答えのない問いがある時、私たちにとって豊住ミュージックとは、むしろ差異から差異への瞬間的、直接的エネルギーによって、記憶のイメージが脱根拠化され「感覚されることしかできない」新しい体験となりうるからです。その意味で本書は全体をどこから読んでも楽しめるものにしました。

以下序文。

豊住芳三郎は1960年代から今日まで、世界屈指のフリージャズ/フリー・インプロヴィゼイションのドラマー(二胡奏者でもある)として世界中を日夜飛び回って演奏を続けています。
1960年代の日本のフリージャズ黎明期には、そのパイオニアとして高柳昌行、吉沢元治、佐藤允彦、山下洋輔、高木元輝らと行動を共にし、70年代では阿部薫とのユニット「オーヴァーハング・パーティー」、自己のユニット等での活躍。80年代以降は、Wadada Leo Smith、John Zorn、Misha Mengelberg、Han Bennink、Evan Parker、BarrePhillips、Pual Rutherford、Derek Bailey、Sunny Murray等々の召喚・ツアーを数多く行い、それまでレコード等でしか接することのできなかった世界のインプロヴァイザーを我々に紹介してくれた功績はとても大きいと言えます。
また最近でも中国、ギリシャ、トルコ、チリ、アルゼンチン、ブラジル、フィリピン、ニュージーランド、トルコ、チリ、パプアニューギニア等々を廻り、現地のインプロヴァイザー達と交流を深め、Living Legendとして大きな尊敬も受けています。
そうした世界各地を旅して来た視野の広さと感性の鋭敏さとが、彼の演奏に大きく影響を及ぼし、世界にも類を見ない独自の演奏スタイルを生み出しました。さらに彼自身のポテンシャルなエネルギーに会場やドラムの質、共演者のスタイルや力量等々に合わせてクロッシングする柔軟性が共起し、強烈な個性と多彩なパフォーマンスに聴衆は強い印象を受けることでしょう。
そのような豊住芳三郎を多角的に光を当てようとするのが本書です。親しい者(ある意味戦友達)からの手紙やエッセイも含めて、現在まで、そしてこれからの豊住芳三郎を読み解いていただけたら幸いです。執筆者:豊住芳三郎、白石かずこ、佐藤允彦、高橋悠治、間章、原尞、牧野はるみ、Hico Natsuaki、近藤秀秋、稲岡邦弥、金野吉晃、Julien Palomo、副島輝人、望月由美、Jean Michel van Shouwburg、末冨健夫、河合孝治、織田理史
編集:Chap Chap Records (ちゃぷちゃぷレコード)

 

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